化学物質管理強調月間②
令和7年2月1日~2月28日は「化学物質管理強調月間」です。
「化学物質管理強調月間」は、職場における危険・有害な化学物質管理の重要性に関する意識の高揚を広く一般に図るとともに、化学物質管理活動の定着を図ることを目的としたもので、毎年2月に実施することとしており、今年度が初めてとなります。
この機会に職場で取り扱う化学物質の有害性を認識した上で、化学物質の自律的管理を進めていきましょう。
スローガン金賞は、「正しく理解 正しく管理 化学物質を向き合おう」です。
普段意識せずに職場で使っている商品や製品に含まれる化学物質によってさまざまな労働災害が報告されています。
一部をご紹介します。
●使用済み廃棄衣類から揮発した有機溶剤による中毒
トルエン等を含有するシンナーを染み込ませたガーゼで部品を払しょくしたが、そのガーゼを付近のごみ箱に密閉することなく廃棄。
有機溶剤の匂いを感じたまま作業を継続していたところ、頭痛や吐き気等の症状を訴える。
●換気をせずにトイレの清掃作業中、洗浄剤を使用しフッ化水素中毒となり入院
換気の不十分なトイレ清掃作業中、洗浄剤(フッ化水素含有)を使用して作業をしていたところ、咳、発熱、関節痛、倦怠感等が現れ、ふらつき等の症状が激しくなったため病院へ。「フッ化水素中毒」と診断された。
●使用済みガスボンベの廃棄作業中に火災が発生
カセットコンロ用の使用済みガスボンベ(ブタンガス使用)を廃棄するために穴を開ける作業中に発生その火により火傷を負った。
●ドライアイスの輸送作業中、酸素欠乏となる
扉が開かなくなってしまい外に出られなくなった際に、ドライアイスから発生した二酸化炭素ガスのため庫内が酸欠状態となり意識を失いかけた。
●薬品が付着した破損した容器に保護具なしで触れたことによるフェノールによる薬傷
商品を納品時に、ガラス瓶を駐車場に落下、割れたガラス瓶を素手で拾い、しばらくすると商品に触れた指が赤く腫れ、気分も悪くなり救急車で病院に搬送された。
●飲食店のトイレを清掃中、洗浄剤を混合し塩素ガスが発生し中毒
トイレの清掃をするため備付けの塩素系漂白剤を床にまき、その上に酸性洗剤をまいて水をかけ、清掃を始めたところ、涙を流しながら咳き込み始め、苦しそうにしたため、病院へ連れて行ったところ「塩素ガス中毒」と診断され、1週間入院した。