労働安全衛生法の新たな化学物質規制⑧
今回は、「労働安全衛生法の新たな化学物質規制」についてです。
国内で輸入、製造、使用されている化学物質は数万種類にのぼり、その中には、危険性や有害性が不明な物質が多く含まれています。
化学物質を原因とする労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)は年間450件程度で推移しており、がん等の遅発性疾病も後を絶ちません。
これらを踏まえ、新たな化学物質規制の制度が導入されました。
■2-2 保護具着用管理責任者の選任の義務化(2024(令和6).4.1施行)
(1) 選任が必要な事業場
リスクアセスメントに基づく措置として労働者に保護具を使用させる事業場
(2) 選任要件
化学物質の管理に関わる業務を適切に実施できる能力を有する者
(3) 職務
有効な保護具の選択、労働者の使用状況の管理その他保護具の管理に関わる業務
■2-3 雇い入れ時等教育の拡充(2024(令和6).4.1施行)
雇入時等の教育のうち、特定の業種では一部教育項目の省略が認められていましたが、この省略規定を廃止します。
危険性・有害性のある化学物質を製造し、または取り扱う全ての事業場で、化学物質の安全衛生に関する必要な教育を行わなければなりません。
■2-4 職長等に対する安全衛生教育が必要となる業種の拡大(2023(令和5).4.1施行)
労働安全衛生法第60条の規定で、事業者は、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者に対し、
安全衛生教育を行わなければならないとされています。
その対象業種に、以下の業種が追加されます。
• 食料品製造業
食料品製造業のうち、うま味調味料製造業と動植物油脂製造業は、すでに職長教育の対象です。
• 新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業
出典:厚生労働省HP 化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25984.html