労働安全衛生法の新たな化学物質規制⑥
今回は、「労働安全衛生法の新たな化学物質規制」についてです。
国内で輸入、製造、使用されている化学物質は数万種類にのぼり、その中には、危険性や有害性が不明な物質が多く含まれています。
化学物質を原因とする労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)は年間450件程度で推移しており、がん等の遅発性疾病も後を絶ちません。
これらを踏まえ、新たな化学物質規制の制度が導入されました。
【リスクアセスメント対象物に関する事業者の義務(健康診断等)】
(1)リスクアセスメントの結果に基づき事業者が自ら選択して講じるばく露低減措置等の一環としての健康診断の実施・記録作成等
• リスクアセスメントの結果に基づき事業者が自ら選択して講ずる
ばく露低減措置等の一環として、リスクアセスメント対象物による
健康影響の確認のため、事業者は、労働者の意見を聴き、必要があると認めるときは、医師等(医師または歯科医師)が必要と認める項目の健康診断を行い、
その結果に基づき必要な措置を講じなければなりません。
• 1-2(1)②の濃度基準値設定物質について、労働者が濃度基準値を超えてばく露したおそれがあるときは、速やかに、医師等による健康診断を実施しなければなりません。
• 上記の健康診断を実施した場合は、その記録を作成し、5年間(がん原性物質に関する健康診断は30年間)保存しなければなりません。
【2024(令和6).4.1施行】
(2) がん原性物質の作業記録の保存
リスクアセスメント対象物のうち、労働者にがん原性物質を製造し、または取り扱う業務を行わせる場合は、その業務の作業歴を記録しなければなりません。
また、その記録を30年間保存しなければなりません。
【2023(令和5).4.1施行】
出典:厚生労働省HP 化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25984.html
次回以降も化学物質規制についてご紹介していきます。