エイジフレンドリーガイドラインの概要について
今回は、「エイジフレンドリーガイドライン」についてです。
厚生労働省では、令和2年3月に「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)を策定しました。
このガイドラインは、高齢者を現に使用している事業場やこれから使用する予定の事業場で、事業者と労働者に求められる取り組みを具体的に示したものです。
概要を順にご紹介していきます。
●安全衛生管理体制の確立
◆経営トップによる方針表明と体制整備
・企業の経営トップが高齢者労働災害防止対策に取り組む方針を表明します
・対策の担当者や組織を指定して体制を明確化します
・対策について労働者の意見を聞く機会や、労使で話し合う機会を設けます
🌸考慮事項 🌸
・高年齢労働者が、職場で気付いた労働安全衛生に関するリスクや働く上で負担に感じていること 、自身の不調等を相談できるよう、 社内に相談窓口を設置したり、
孤立することなくチームに溶け込んで何でも話せる風通しの良い職場風土づくりが効果的です
◆危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
・高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害発生リスクについて、災害事例やヒヤリハット事例から洗い出し、対策の優先順位を検討します
・リスクアセスメントの結果を踏まえ、具体的事項を参考に取組事項を決定します
🌸考慮事項 🌸
・職場改善ツール「エイジアクション100」のチェックリストの活用も有効です
・必要に応じ フレイルやロコモティブシンドロームについても考慮します
※フレイル:加齢とともに、筋力や認知機能等の心身の活力が低下し、生活機能障害や要介護状態等の危険性が高くなった状態
※ロコモティブシンドローム :年齢とともに骨や関節、筋肉等運動器の衰えが原因で「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態
・社会福祉施設、飲食店等での家庭生活と同様の作業にもリスクが潜んでいます
働く高齢者の特性に配慮したエイジフレンドリーな職場を目指しましょう。
次回以降も、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の概要をご紹介します。