【Vol.26】第13次労働災害防止計画

2021.01.20 労働安全衛生法の解説

「13次防」はご存知ですか?
第13次労働災害防止計画」のことですよね。名前しか分かりません。
2018年度から2022年度までの厚生労働省が打ち出した5か年計画です。
具体的な目標は何ですか?
表1のとおりです。[表1]
「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画です。
過労死メンタルヘルス不調への対策の重要性が増していることや、就業構造の変化及び労働者の働き方の多様化を踏まえ、労働災害を少しでも減らし、安心して健康に働くことができる職場の実現に向け、国、事業者、労働者等の関係者が目指す目標や重点的に取り組むべき事項を定めた計画です。

第13次労働災害防止計画の目標

なるほど。
表1の①のメンタルヘルス対策は何か行っていますか?
いいえ、特にしていません。
メンタルヘルスの4つのケア」というのがあります。これを人事部主導で構築していきましょう。[表2]

メンタルヘルスの4つのケア

理解が難しいです。
セルフケアというのは、労働者自身が自分の精神状態を把握し、予防対処できるようにすることです。
年に1度のストレスチェックを実施しましょう。また、ストレス対処法に関するセミナーの開催も有効です。
わかりました。では、ラインケアというのは?
ラインケアは、上司が職場環境の把握と改善や、部下の精神的な不調を早めに気づき、相談対応を行うことです。
管理職研修はされていますか?管理職の方がラインケアを行うことで、職場環境改善にもつながりますので、ぜひ取り入れてみましょう。
分かりました。
事業場内スタッフによるケアというのは、社内の衛生管理者を中心に、月に一度衛生委員会を開催して情報共有を行うことやセルフケア・ラインケアがうまく機能するように支援し、相談対応をすることです。
なるほど。
事業場外資源の活用というのは、「産業医」、「保健師」、「EAP企業(employee assistance program)」と契約して、労働者が体調の不調を気軽に専門家に相談出来る仕組みを作ることです。
色々あるのですね。
表1の②のストレスチェックは実施されていますか?
はい。2016年11月から実施しています。
では、集団分析はされていますか?
いいえ。
集団分析は、努力義務となっていますので、ぜひ実施してみましょう。
集団分析を実施し、職場の問題点を改善することは、ストレスチェックの目的の一つです。
分かりました。今年から集団分析も実施します。
表1の③の「SDS(安全データーシート)」はいかがですか?
多分やっていると思いますが。
SDS」というのは「Safety Data Sheet」の略語で、化学物質の取扱説明書です。
企業が化学物質を購入する際、販売する会社が発行するものです。
昔はMSDSと読んでいたような。
その通りです。Mは物質(material)の頭文字ですが、SDSに呼称が統一されました。このSDSを発行しないような企業とは取引しないでください。
そして、そのSDSをファイルに入れて、作業現場に置いて、労働者が気軽に見れるよう手配してください。
分かりました。
表1の④の腰痛については、何か対策を取られていますか?
ラジオ体操を毎朝実施しています。
衛生委員会で腰痛予防対策の社内セミナーを実施し、日々の取組みに活かされている事業場もありますので、ご検討ください。
表1の⑤の熱中症については、いかがですか?
会社で塩飴を購入し、従業員に配布しています。また、こまめに水を飲むよう指導しています。
オフィスなど事務所全体冷却ができる職場では熱中症は発生しにくいのですが、倉庫などの局所冷却しかできない職場は特に注意が必要です。スポットクーラーなどで局所冷却するだけではなく、空調服という作業服もありますので、業務内容や職場環境に応じて導入を検討してみましょう。[図1]
また、熱中症は職場環境の調整や、各個人が注意することで予防ができますので、衛生委員会で熱中症予防対策の社内セミナーを実施されることもご検討ください。

空調服

分かりました。
衛生委員会に労働衛生コンサルタント、安全委員会に労働安全コンサルタントを加えると良いと思います。
また職場巡視にも、産業医だけでなく、労働衛生コンサルタント、労働安全衛生コンサルタント、保健師を加えてください。
外部のプロの視点を入れることが重要です。
分かりました。検討します。