【Vol.24】糖尿病

2020.11.18 今日の衛生委員会

平成28年(2016年)国民健康・栄養調査の結果として、糖尿病患者が1000万人との報道がありましたが・・・
もしその報道が本当なら、有病率は10%ということになりますね。
なぜ日本人に糖尿病が多いんですか?
膵臓が弱いんでしょうね。
膵臓が弱い…とは?
アメリカ人(ヨーロッパ系)は、体重が100kgを超えても糖尿病にならない人が結構います。膵臓が強いんでしょう。
膵臓は鍛えられないんですか?
無理です。相撲の力士も、30歳を過ぎると膵臓がボロボロで、糖尿病になってしまう人がほとんどです。
そうなんですね…
膵臓が弱いという表現より、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの効きが悪くなる、という表現の方が適切なんですが。
予防方法はありますか?
稲作が始まる前の日本人の食生活を想像してみてください。何を食べていたでしょうか?
魚ですか?
マンモスを食べていたという説もありますが、おそらく木の実と野菜と魚でしょうね。
その頃は、糖尿病はなかったのでしょうか?
血糖値を測定することができなかったため 、はっきりとしたことは言えませんが、おそらくなかったと思われます。
糖尿病の原因は何ですか?
炭水化物の過剰摂取です。言い換えると精製した穀類の摂りすぎです。
米ですか?
米、小麦ですね。玄米や全粒粉は茶色なんですが、周りのタンパク質を捨てると白色になるんです 。
これが血糖値を上げ、膵臓を疲れさせる原因物質です。
お寿司もうどんも大好物なんです・・・
うどんで有名な香川県は糖尿病の有病率が高いようです。
では何を食べればいいのでしょうか?
糖尿病の予防と治療については、カロリー制限と糖質制限の2つの方法があります。
どちらが良いのでしょうか?
カロリー制限と糖質制限は、長い間論争が続いてきました。
医学会と栄養学会の主流は、カロリー制限です。
それに対して、京都で有名な江部康二先生という糖尿病専門医が、10年以上前から異を唱えてこられました。
それで論争に結論は出たんですか?
米国糖尿病学会という世界で最も権威のある学術団体が、2013年に、それまで否定していた糖質制限食を、正式に、糖尿病予防効果のある食事法として認めました。
日本では?
基本的スタンスは『糖質制限ではなくカロリー制限』です。
しかし、糖質制限食を「効果がある」とする考えが広まっています。
ビジネスの世界でも糖質制限を耳にしますね。
糖質制限関連のマーケットは2017年の時点で既に、日本で約3000億の規模があったようです。
ただし、腎機能が低下している人は糖質制限を行うことはできません。
また、糖尿病治療中の方は低血糖を引き起こす可能性があるため、主治医に相談しながら行うことが大切です。
糖尿病が悪化するとどうなるのですか?
糖尿病は別名「サイレントキラー(Silent killer)」と呼ばれています。
サイレントキラーとは、沈黙の殺人者、気づかない間にどんどん悪化するという意味です。
気づかない間にですか?
そうです。
糖尿病患者さんで最も多い症状は、無症状です。痛みもなく、知らず知らずのうちに身体を蝕んでいきます。
怖いですね…
血糖値が高いままの生活を続けると、血管がもろく、ボロボロになる、いわゆる、「動脈硬化」になります。
動脈硬化は、心筋梗塞脳梗塞の原因となります。
また、細い血管が詰まることで、網膜症(視力障害)・腎症(腎臓の機能低下)・神経障害(手足の感覚低下)になります。
また、最近では歯周病認知症感染症を発症しやすいことが分かりました。[図①]

そんなに色々…
糖尿病は予防が肝心です。食べすぎ、飲みすぎ、運動不足を防ぎましょう。
そして、定期健康診断で「血糖値が高め」と指摘された際には、受診し、適切な治療を続けましょう。