【Vol.22】メンタル不調者への対応フロー

2020.04.20 コラム

メンタル不調者を抱えた従業員の問題が発生して、対応に困っています。
他の企業様でも同様のご相談をいただくことが多くなっています。
どのように対応していけばいいですか?
まず、人事担当者様に対応フローをご理解いただきましょう。

なるほど。
このフローで対応するには事前に就業規則を見直す必要がありそうです。
そうですね。特に休職・復職規定産業医面談の規定に関してですね。
そこは、社労士さんに相談してみます。
それがいいと思います。
当社での話しなんですが、周囲が異変を感じて相談に来た場合、どう対応したらいいでしょうか?
まず、精神科か心療内科の主治医をつけることが重要です。
社内で受診勧奨はしていただきましたか?
受診を勧めたんですが嫌がってまして・・・
では、産業医面談を設定してください。
産業医が面談時に受診勧奨すると受け入れてもらいやすく、スムーズにいくことが多いです。
それは助かります。
うつ病などの精神が不安定な状態では、思考力が低下して自分に不利な選択をしてしまうことがあります。
うつ病が悪化してしまうと自殺までする可能性があります。
重症化する前に早めに受診してもらうようにします。
そうですね。
早めに主治医を固定させることが最重要ポイントです。
わかりました。
次に必要なのは、休職の手続きになりますが、何が必要ですか?
主治医からの「休業による自宅療養が必要である。」という診断書を会社に提出してもらってください。
なるほど。
その診断書を基に休職手続きをすればいいわけですね。
その通りです。
では、逆に主治医の診断書があるのに本人が休職を拒否した場合はどうしたらいいでしょうか?
主治医が休職(=自宅療養)が必要であると判断しているので、会社は休職させなければいけません。
すぐに休職の手続きに入ってください。
わかりました。
主治医が就業不可と判断しているのに、産業医が就業継続可能と判断することはあり得ません。
わかりました。
お願いします。
次は「休職時の対応」となりますが、休職期間中も定期的に産業医面談を設定した方がいいのでしょうか?
休職者は、復職の目処が立つまで産業医面談は設定しないでください。
様子がきになるところですが・・・
産業医面談は、勤務中または復職時に行います。
なるほど。
休職時は自宅療養が必要な時期ですから、会社に呼び出してはいけません。
わかりました。
ちなみに、総務部からの連絡は構いませんよね?
月に1度くらいの頻度で、電話で病状の経過を確認いただく程度は問題ありません。
はい。その後、復職希望の連絡がくる流れですか?
そうですね。
本人から復職希望の連絡があった時点で産業医面談を設定してください。
主治医の復職可能との判断だけでは不十分ですか?
復職可否の判断権は会社に属します。
そのため会社としてご判断いただければ結構です。
しかし、裁判所が産業医の意見を採用することを認めた事例があります。
そうなんですね。
主治医は治療が専門で、患者が生活できるレベルまで回復させることを目標としています。
一方、産業医は労働者が勤務できるかどうかの判断の専門家です。
なるほど!
そのため、産業医の方が就業に関しては的確な意見を述べていると一般的には言えるのではないかと思います。
では、復職希望時は産業医面談をお願いします。
そうしてください。
復職面談では何を確認されるんですか?
1日8時間の勤務に耐えられるかを確認します。
8時間勤務を継続しようと思うと、体調が9~10割まで回復していないといけません。
不十分な回復で復職すると、また休職になる危険性がありますよね。
その通りです。
そのためにメンタル不調による休職者の場合、復職前に「復職支援プログラム」を実施していただきます。
復職支援プログラムってなんですか?
約1ヶ月間の仮想勤務(起床時間を一定にし、昼間は勤務に近い肉体的・精神的な負荷をかける)期間のことです。
これは義務ですか?
義務ではありませんが、厚生労働省も推奨しています。
なるほど。
また、復職支援プログラムを実施しなかったことを理由に健康配慮義務違反で会社が訴えられた事例はあります。
(2016年2月23日判決 ワコール事件 京都地裁)
一発で復職を成功させてもらうことを会社としても求めてますので、復職支援プログラムを頑張ってもらいます。
それがいいと思います。
あとは定期的な面談をお願いする感じですか?
そうですね。面談で経過観察をしながら就業制限を徐々に緩和していきます。
どれくらの期間で通常勤務になるんでしょうか?
半年~1年かけて就業制限を緩和します。
時間と手間がかかりますね。
そうですね。
また、過重労働やハラスメントなどの業務に起因する精神疾患の場合は、配置転換などの配慮も必要になります。
なるほど。
会社が健康配慮義務をどれだけ誠実に履行していくかが重要です。