【Vol.3】メタボ対策

2019.09.28 今日の衛生委員会

先生、こんにちは。
最近、当社の社員にメタボが増えてきているように思いまして…
どうすればメタボ社員を減らせるか、教えていただけませんか?
こんにちは。
メタボというのは、メタボリック症候群のことですね。
そうです・・・
メタボが問題となるのは、メタボ→動脈硬化→脳卒中 という病気の流れの最上流にあるからです。
予防医学の最も重要な原則が、『最上流から直す』です。
なるほど。
ここでのポイントは、『直す』であって、『治す』ではありません!
??
治療医学では病気を『治す』のですが、予防医学では生活を『直す』ということです。
そういうことですか。
『生活習慣病』という言葉は御存知ですか?
はい、もちろん。
誰が作った言葉か御存知ですか?
いいえ。
聖路加国際病院の名誉院長で循環器内科医の日野原重明先生です。
有名な方ですよね。
1911年生まれですから、現在105歳です。まだ現役の医師として活躍されています。
それまでは何と呼ばれていたのですか?
『成人病』です。
成人病センターが大阪にもありますよね。
成人病というと、大人が誰でもなる運命的な響きがあり、それが間違いで、生活習慣が原因でなる、というのが日野原先生が、この言葉に込められた意味です。
なるほど。
生活習慣病は、広い概念ですが、高血圧、糖尿病、脂質異常症がその中心です。
メタボとの関係は?
若干かぶっているのですが、メタボ→生活習慣病という時系列で考えていただくと良いかと思います。
生活習慣病の前段階がメタボということですか?
その通りです。
最近はアンチエイジングという言葉もよく耳にしますね。
エイジングは加齢のことですが、加齢の本質を、ウイリアム・オスラーというアメリカの医師が『人間は血管とともに老いる』という言葉で表現しています。
日野原先生はオスラー研究でも有名です。
それでは、メタボ対策のポイントを教えていただけますか?
まず、当たり前のお話ですが、食事と運動が大切です。
運動は年齢によっては逆に問題となる可能性があるので、今日は食事のお話をメインで扱います。
効果的だと言われている食事対策は2つです。1つ目がカロリー制限、2つ目が糖質制限です。最近注目されているのは糖質制限です。
確かによく聞く言葉ですね。
いまいち違いがわかりませんが(笑)
カロリー制限は『糖質および脂質の制限』、糖質制限は『炭水化物(米・パン・麺類)の制限』です。
要は、血管に負担をかけなければ人間の健康状態を良くできる(持続できる)ということです。
さきほどのウィリアム・オスラーの言葉からもわかるように、動脈硬化のスピードを遅らせることが重要です。
炭水化物が大好きな私としては衝撃のお話ですね…。
しかし、メタボ対策からお話が外れているようにも思うのですが?
いえ、実はこれがそのままメタボ対策になるんです。
正確には、長時間労働などの周辺環境も関わってくるので、その点については次回お話できればと思いますが、今日のお話のキモは『糖質制限』です。
主食を外すだけなので、量はそれほど減らさなくて良い、なのに『痩せる』『生活習慣病を予防できる』というおすすめの対策なんです。
なるほど。
一気に理解できました。痩せる、となると女子社員も喜びそうですね(笑)
きっと喜んでくださると思います(笑)
短期的に結果を出せるダイエットはテレビなどでたくさん見かけますが、いずれも課題は『継続性』です。
また、無理なダイエットで体調を崩してしまっては本末転倒です。
その通りですね。
最初に運動という話が出てきましたが、これは支店毎で作業環境に差があり、全員が労働で健康的に汗を流すことができない可能性があったので、今回のお話は誰でも試すことができる事例として紹介しやすいです。
是非ご紹介ください。
では少し具体的に、お話ししましょう。カロリー制限は、糖質と脂質を制限し、1日の摂取熱量を例えば1600kcalに抑えることです。
計算をしないとけないんですね。
そうなんです。それが最大の欠点です。
素人ではできないのでは?
そのために管理栄養士という国家資格があります。
病院の食事は管理栄養士が厳密にカロリー計算をして献立が作られています。
病院食は余り食べたくないですね・・・
糖質制限は、1日の摂取カロリーではなく、1日に摂取する糖質の量を極力ゼロに近づける、という考え方です。
糖質というのは何ですか?
炭水化物のことです。厳密に言うと、若干違うのですが。。
肉のことですか?
いわゆる主食のことです。
ご飯、パン、麺です。米、小麦粉などの穀類からできた食品を指します。
それ無しで生きろというのですか?
辛いですよね。
鮨も、ラーメンも、うどんもダメなんですか?
辛いですよね。
生きる楽しみが。。。
カロリー制限と糖質制限は、長い間論争が続いてきました。
医学会と栄養学会の主流は、カロリー制限です。
それに対して、京都で有名な江部康二先生という糖尿病専門医が、10年以上前から異を唱えてこられました。。
カトリックとプロテスタントの関係みたいですね。
カロリー制限を否定することは、これまでの栄養学や医学を根幹から否定することになります。
それで論争に結論は出たんですか?
米国糖尿病学会という世界で最も権威のある学術団体が、2013年に、それまで否定していた糖質制限食を、正式に、糖尿病予防効果のある食事法として認めました。
日本では?
日本糖尿病学会の理事長は、東大の先生で、基本的スタンスは『糖質制限ではなくカロリー制限』なのですが、実際には、東大病院では糖質制限食が出されているようです。
ビジネスの世界でも糖質制限を耳にしますね。
糖質制限関連のマーケットは今日本で3000億円くらいの規模のようです。
糖質制限と銘打つと売れるんですか?
痩身術で有名なライ○ップも、糖質制限食と筋力トレーニングの組み合わせです。
そうなんですか。
私は、カロリー制限と糖質制限の論争を側から見て、別の結論を出しました。
そうなんですか?
その結論を2005年に『健康方程式』、2006年に英訳して『The Health
Equation』として出版しました。
難しそうですね。。
2015年には漫画にして『マンガでわかる健康方程式』という本を出しました。
それなら読めそうですね。
先着30名様にプレゼントさせていただきますので御一読下さい。
医学的な予備知識なく、1~2時間くらいで読めると思います。
友人の眼科医の息子さんにあげたら、その小学校1年生の子は、30分で読んだそうです。
!!