医療法人 福命会 健康管理支援室

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今日の衛生委員会

【Vol.2】パワハラ問題

総務部長
先生、こんにちは。
今日は最近よく話題に上がるパワハラについて教えていただけませんでしょうか。
産業医
こんにちは。パワハラについてですか。わかりました。
何か気になることが出てきたのでしょうか?
総務部長
何か問題があった訳ではないのですが、最近話題に多く挙がっていることと、現場の管理者が従業員に注意することがあった時などに、注意の仕方を間違えばパワハラと言われてしまうのではないかと不安に思っているようなので、今回先生に聞いてみようと思ったんです。
産業医
なるほど。
確かに事故が起こりかけた時など、声を大にしてでも注意したいときなどがありますよね。
総務部長
その通りなんです。
管理者に正しい認識を持ってももらえればと思っています。
産業医
わかりました。最近だとモラハラやマタハラなどのハラスメントも話題に上がっていますが、今日はパワハラについてお話させていただきます。
まず、パワハラの定義ですが、『同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や権限などの職場内での優位性を背景に、業務の適切な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為である』とあります。
総務部長
何だかわかるような、わからないような…イメージはわかりますが、具体的にどうすればいいかを定義から理解するのは難しそうですね。
産業医
確かにこのままだと難しいですね。それでは『パワハラ』と『指示・指導』の違いを考えてみましょう。
◎パワハラ
思い=相手を思い通りに動かしたい。
言動=相手の立場や状況を考えず、威圧的・攻撃的
◎指示・指導
思い=相手を育成し、成長させたい
言動=相手の状況や周囲の環境に配慮し、肯定的で自然体
このような違いあります。
総務部長
なるほど。さっきよりはイメージしやすくなりました。
相手の立場や状況を考えるのは具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか?
産業医
具体的な内容は、判例を見るとわかりやすくなります。
例えば、皆が見ている前で注意するのではなく、メール等で注意をするとパワハラには当たりません。実際に、執拗に注意されたとして従業員がその上長を訴えた際に、原告の訴えが棄却されました。その上長の方は、勤務態度や業務中にたばこを吸いに行くことに対して、メールで注意をしていました。原告側が証拠として提出しましたが、逆にパワハラではない証拠として扱われました。理由は、業務上適切な範囲であり、注意内容が他者にわからないよう、配慮されている、からでした。メールに記載する内容には十分注意している前提ですが。
総務部長
そんな工夫もあるんですね。
何でもメールで済ませるのが良いとは思いませんが、逆に何でも口頭で伝えれば良いという訳でもないということですね。
産業医
その通りですね。
その他にも、厚労省が発表している『6つの行為累計と具体的な言動』も参考になると思います。

総務部長
わかりました。ありがとうございます。
しかし、色々なことを気にしないといけない時代になりましたね。
産業医
時代変化とともに教育の考え方も変わってきていますからね。
鉄拳制裁や言葉の暴力をもって人材育成を行っていた時代から、アメとムチをバランス良く使い分けながら人を育てる時代になっているということです。
総務部長
企業も時代に合わせて変化していかないと、痛い目に合いますね。
注意したいと思います。
産業医
最後に、伝える側の前提認識も大切なので、是非社内で共有してください。
『1回言われてすぐに出来る人は1000人に1人、10回言われて出来る人は、100人に1人』つまり、ほとんどの人は100~1000回言われないと出来るようにならないんです。
また、山本五十六さんという方の言葉に、『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ』という言葉があります。
総務部長
深い言葉ですね。
相手がこちらの思い通りに動いてくれるという前提を捨て、人は少しずつしか成長しない、と長い目で教育を考えてみます。先生、今日もありがとうございました。