医療法人 福命会 健康管理支援室

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労働安全衛生法の解説

【Vol.11】産業医とは

総務部長
先生こんにちは。
今日もよろしくお願いします。
産業医
こんにちは。よろしくお願いします。
今日は、『産業医』についてお話しします。
総務部長
病院やクリニックのお医者様とは違い『診断』はされない。とかですか?
産業医
そうですね。
それも含めて、産業医の歴史からお伝えしていきましょう。
総務部長
歴史ですか?
産業医
実は『産業医』という言葉は、1972年に生まれた言葉なんですね。
『産業医学』自体は、400年前にイタリアで生まれたのですが。
総務部長
意外と最近生まれた言葉なんですね。
それまでは何と呼ばれていたのですか?
産業医
それまでは『工場医』と呼ばれ、さらにその前は『軍医』と呼ばれていました。
総務部長
言葉から産業医の成り立ちがわかりますね。
産業医
そうなんです。
産業医という言葉は「武見太郎」という、1975年に世界医師会会長にも就任した人物が、生みの親です。
総務部長
しかし、なぜ1972年に『産業医』という言葉が生まれることになったのでしょうか?
産業医
それまで『工場医』と呼ばれていましたが、このころ日本にはオフィスが増えてきたという時代背景があります。
総務部長
なるほど。
産業医
そして、産業医の職務は、労働安全衛生法 第十三条に記載されています。

労働安全衛生法
(産業医等)
第十三条  事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
2  産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない。
3  産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
4  事業者は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。
第十三条の二  事業者は、前条第一項の事業場以外の事業場については、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師その他厚生労働省令で定める者に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならない。

総務部長
先生、ちなみに当社のように1事業場50人以上の従業員がいる企業で産業医を選任していないと、なにか罰則などはあるのでしょうか?
産業医
そうですね。
産業医の選任義務があるのに選任しなかった場合は
【50万円以下の罰金】の刑事罰ですね。
総務部長
50万円以下の罰金ですか・・・
産業医
その例として、過去に大阪の印刷会社で起きた「胆管がん事件」があります。
総務部長
どのような事件ですか?
産業医
従業員17人が胆管がんを発症し、うち9人が亡くなった事件で、この企業は産業医も未選任、安全衛生委員会も設置しておらず、事件を起こしました。
総務部長
産業医を付けて、安全衛生委員会を設置・開催していれば防げた事件ということですか?
産業医
その可能性はあります。
この事件は、民事訴訟となり、それぞれに1千万円以上の補償金支払いと、今後の再発防止に向けた安全策を取ることで和解しています。
総務部長
刑事罰は50万円以下でも、民事となると相当額の賠償となるのですね。
産業医
そういうことです。
総務部長
ちなみにですが、労働基準法では、何が一番重い罪となるのですか?
産業医
それは、労働基準法 第五条を犯した時の
【10年以下の懲役、または300万円以下の罰金】です。

労働基準法
(強制労働の禁止)
第五条  使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

総務部長
パワハラの極みのようなことをしたらということですかね。
産業医
企業と労働者が向き合って、WIN-WINな関係を築き、双方が成長できる社会であってほしいものですね。
総務部長
そうですね。
お話しありがとうございました。
また、次回もよろしくお願いします。