医療法人 福命会 健康管理支援室

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労働安全衛生法の解説

【Vol.2】労働契約法

総務部長
先生こんにちは。今日もよろしくお願いします。
産業医
こんにちは。よろしくお願いします。
今日は、先日お話していました安衛法について、他の法律との関連も踏まえながら更に深掘りしていきます。
総務部長
わかりました。安衛法は奥が深そうですもんね。
産業医
先日も触れましたが、わかりづらい法律ですからね。
関連している法律も合わせて理解した方がわかりやすいんです。
総務部長
理解できるように頑張ります(笑)
産業医
私もわかりやすく説明できるように頑張ります(笑)
さて、今日は労働契約法との関連から安衛法を読み解いていきます。
労働契約法がどんな法律か説明することはできますか?
総務部長
労働契約法は労使間の契約について書かれている法律ですよね。
労働基準法の下に来る法律だと解釈していますが、合っていますか?
産業医
概ねその通りです。
『労働基準法』は刑法で、『労働契約法』は民法のようなものです。
総務部長
労働契約法には、刑事罰がないんですね。
産業医
では、続けますね。
この労働契約法の第五条が企業に課せられた『安全配慮義務』の根拠条文に当たります。

労働契約法
(労働者の安全への配慮)
第5条
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

総務部長
そんなところに安衛法との繋がりのある条文が入っているんですね。
産業医
そうなんです。
2007年に施行された新しい法律ですが、ここにも労働者を守る義務が企業に課せられていることが明文化されています。
もちろん、安衛法の条文にも明記されています。

労働安全衛生法
(作業の管理)
第65条の3
事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。

総務部長
複数の法律で明文化されているんですね。
産業医
労働基準法や安衛法が『刑法』であることに対し、労働契約法は『民法』です。
そのどちらにも記載されていることから重い義務であることがわかると思います。
総務部長
本当に大切な法律ですね。
しかし、前にもお話しましたが、全て守るのは難しいのが正直な印象です。
また、なぜ企業が全面的に労働者の健康を守らなければならないのかは、やや疑問が残ります。
産業医
お気持ちはわかります。そして、勘違いされやすいのがこの義務です。
実は、労働者にも義務が課せられています。
安衛法69条第2項に書かれています。
要は、会社も頑張るけど本人もちゃんと健康でいる努力をしてくださいね。ということです。

労働安全衛生法
(健康教育等)
69条第2項
労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努めるものとする

総務部長
ちゃんとそんな条文もあるんですね。初めてお聞きしました。
産業医
意外と知られていませんからね。
 企業側は、 『安全配慮義務・健康配慮義務』
 労働者側は、『健康保持義務』を負っています。
誠実労働義務なども一つの例ですね。
会社を運営されていると、どうしても権利主張に悩まされると思いますが、企業がきちんと義務を果たしているならば、企業側も労働者に対し義務を守るよう要請すべきです。
総務部長
そう言われると、社内の整備を進めることで、先生が前に言っていた生産性の向上に繋がるイメージが湧いてきました。
産業医
良かったです。
産業医は従業員の味方と思われがちですが、あくまで中立です。
義務を守っていない場合は企業にも従業員にも厳しくします(笑)
総務部長
怒られないように頑張らないといけませんね(笑)
少しずつでいいので従業員も理解してもらっていきます。今日もありがとうございました。

※ひとこと※
企業は健康的に、かつ安全に働ける労働場所及び正当な賃金の提供義務を、労働者は健康な労働力を決められた時間と場所の中で事業者に提供する義務を負っていることを労使共に正しく認識することが重要です。